崖、下から見るか、上から見るか?


「崖が好き」ファンを二分する、
上派?下派?問題。

下から見たい崖

比較すると圧倒的に上から見る派が多いのですが
上から見たい人たちは
崖の上から「怖さ」を味わいたいのであって、
比較的下から見るときよりも崖そのものを見ていない、、
そんな気がしてなりません。。
 
だから、本来の崖の魅力を伝えたい
自治体・観光地は、下からみる良さを
伝えているところは案外多いのです。

下から見る良さがわかる崖

勝浦・鵜原理想郷

【1】崖の大きさと比較した時の穴の小ささ
高さと比較するとまだまだ小さく見える青い同門。
ですが、この小ささに私は、ハートがドクンと胸を熱くするのです。
ただし、青の洞門については大潮の干潮の時しか、下から見ることができず、まだ上からしか見ていません。ぜひ次回都合を合わせて見たいところです。
詳しくはこちら→青の洞門

【2】今も活用中(漁師さんの焚き火&荷物置き場
今も歩道を歩いて行くと、崖伝いに活用されている穴が見られます。
【3】船をしまっていたの?扉付きの穴

扉が残っているのは一ヶ所だけですが、同様の大きさの部屋のような穴がいくつもあります。
海のそばで大切なものをしまっておくのに、この崖が利用されていたことがわかります。
【4】カニの命を繋ぐ崖
普段は泳げないのに次世代を繋ぐ時だけ、崖伝いに海に降りてくるカニがいます。

【5】崩れる理由:柔らかい砂の層
比較的、柔らかい砂の層、砂岩でできた鵜原の崖。
堀や石材としては向いていないのかもしれませんが、
この砂岩だからこそ、現場で加工しやすかった、と言う利点があったのかと思います。
一番最初にあげた写真の青の洞窟の先には関東大震災い前まで使っていたイワシのいけすの跡が残っています。崖を削り加工したのでしょう。非常に人の生活と密接している崖の姿が今も伝わってきて感慨深いです。

【6】残る理由:名前からも大切さが伝わる「理想郷」
大正初期にここを別荘地とする計画があり、「理想郷」と呼ばれるようになったそうです。
特に与謝野晶子は、昭和11年4月~5月に友人画伯らとこの地に滞在し、76首の歌を詠んでいるほどお気に入りだったようです。

【7】残る理由:入り組んだリアス式海岸

一歩外は大海原。うねり、荒れることも。しかし、入り組んだ湾になっていることで湾の中に荒れた波が入りにくい!崖が人を守り、船を守り、森を守っている。。海と森と人が共存し繋ぐ場所。それが崖なんだというのを感じます、、美しい。。

南伊豆・中木の柱状節理


マリンブルーとまっすぐ伸びる白い柱状節理、そしてバランスのいい緑の美しさ、、ここはシュノーケルの美しさで有名なヒリゾ浜への船着場ですが、そこにそびえる中木の崖も同じくらいに美しいのです!
【1】岩を削る要因はなんと植物??

スパッと刃物で岩を切り出したような跡。これ、実は岩の間に根を張った植物が原因なんだそう。
根を生やしたその隙間に水が入り、膨張が起き長い年月をかけヒビを入れて割るんだそう。
根元に落ちた岩の太さ、角の鋭利さが分かりますか?
落ちてきたらひとたまりもないです。この破壊を生み出すのが
普段は風にたなびき、この崖に根を張る「植物」というのですから驚きです。

【2】張り出す植物の大きさと岩

説明不要の美しさ。もう、言葉はいりません。
歩道を歩くときに見上げずにはいられないこの眺め。
是非理想の崖の美しい岩肌と緑の比率[7:3」のポイントを探してください。

【3】スターツアーズみたいな不思議な侵食

外側を残し、内側だけ海に侵食されたマグマの跡。何十万年前に噴火で上がってきたマグマの力もすごいですし、この真ん中だけ削った海の芸術性もすごいと思いませんか?
私はこの真ん中に立つと、スターツアーズのスピードアップをする感覚を覚えます。なお、ここはヒリゾ浜の舟を出してもらった後、偶然その時舟を運転してくれていた地元の高木船長から「崖を見るならここもおすすめ!」と教えていただいた場所です。もし高木船長から教えてもらっていなかったら、手前の柱状節理だけ見て終わっていたと思います。地元の方々の優しさ、本当にありがたいです。

塔のへつり

【1】横にも縦にも削られる

侵食が横の層に沿ってだけではなく、縦にも入っているので、まるで建物が浮き出ているみたいに見える塔のへつり。ちなみに、通りすがりの地元の諸先輩が「ウワァ〜、へつられてる(=削られてる)わ〜」とお話ししていたのを耳にしました。
『ヘツる。』と言う表現があるんですね!「削る」より柔らかい響きが私は好きです。

【2】岩を砕くのは、【雪解け水】

少し前まで奥の方まで行けたそうですが、数年前に雪解け水で崖崩れがあり今は20mほどしかへつり部分を歩けません。20mといえども、探検家気分を味わえます。雪深い会津で、こうして残っていることが貴重です。
今歩けるところにも、「ボコっ」と岩が外れた形を残されており、岩をヘツる雪解け水の力の強さを感じます。

【3】川だけじゃない、海が削っと跡がある!(塩が出てる!)
ずーっと大昔、海だった地面が隆起し、水の侵食・風化でできたんだそうです。お堂にいてくださった地元の住職さまによると、お堂の地面に白く見えるところが残っており、これは、昔海だった塩の跡、だそうです。

【4】観光しやすいバリアフリー(手前まで駐車場から見られる)

塔のへつり駅からゆるい坂を下って徒歩5分。
車なら車椅子でも駐車場から見られます。
ゆるーい階段が降りられるなら、吊り橋を渡るところまで見に行けます。

【5】歩ける人はアドベンチャー気分!へつられた場所を歩けます

吊り橋を渡りきったところから、急な階段&手すりなし!のへつり部分を歩けます。
舗装されていないので、スニーカー必須。天気の悪い日は無理しないようにしましょう。

【6】吊り橋の手すりの高さにご用心

絵的には綺麗。見晴らしが良く美しい塔のへつりが見られます。でも真ん中部分は手すりがないに等しいので、ご注意を。

【7】ダムの流れ、雪解け水、、いつまで残るかわからない
近くのダムの放水など、色々な要因があり、現存しているお堂部分のような洞窟部分が埋もれてしまったところもあるのだそう。今見られる貴重性を感じます。

鬼怒川:龍王峡

【1】削られる崖を体感できる場所
普通の人は、「滝」を見に行くのかもしれない、龍王峡。

しかし、崖マニアを名乗ると聞かれてしまう、
「いつかずっと見てたら崩れる瞬間が見られるんですか?」と言う質問に
救いの手を伸ばしてくれる貴重な場所でもあるのです。

ここに出会うまで、上記の「崩れる瞬間が見たい」と言う質問に
「崩れるタイミングは台風や、大水のやばい時ですよ、、」
「見に行っちゃダメですよ、、」

と答えるしかなかったのです。

そして、「なぁんだ、、」と言う興味を失う相手の
表情を見るのが切なかった。。
いや、悔しかった。。

そんな崖マニアのお悩みを解決してくれるポイント
それが龍王峡です。

「崖」としての名称がついていないため
現地も「滝」としての認知度が高いのですが、

ここで崖マニアの皆様に見ていただきたいのは
対岸の「お堂の立っている崖」。

長い年月をかけ、オーバーハングした崖の上のお堂の脇に立つと
滝の勢いに立ち続ける頑丈さと
かすかに揺れて(感じるのは高所恐怖症のだけかも)
力を分散しているしなやかさを体感できます。

また、写真を撮影した向かいの吊り橋から観察すると
滝の対岸のこの崖があることで、その後ろの本流の川が穏やかで
いられることがよく分かります。

【2】川岸へ降りるところはアドベンチャー
河岸へ降りる手前に足元に注意!の看板があります。
それをわかった上で、下って行くと、
手すりがところどころなくなる急な階段が出現。
さらにその後、道らしいものそのものがなくなります。笑。

よーく注意しながら
歩いて行くとこれほど素晴らしい絶景を見ることができます。

穏やかな川の流れを見ながら、その後ろでは轟々と響く滝の音が聞こえます。
静かなが慣れを作っているのは、回り込めないけれど
この真裏にお堂のある崖があるおかげ。

そんな目には映らないのに崖のすごさを感じることができる貴重な崖の後ろ側。
穏やかに川の流れを見られることのありがたさを感じられる場所でもあります。

そして、ちょうど私が降りた時は止まったように見える目の前の川も、
一度大水で荒れると
この対岸のように大きく削るんだなぁ、、と感じました。

【3】2種類の川の流れと岩

「虹見の滝」
正面の滝は虹見の滝です。滝のある野沢は角閃輝石閃緑玢岩(かくせんきせきりょくひんがん)と言う
火山岩の岩脈からできていて硬い岩石ですが、本流の鬼怒川は流紋岩(りゅうもんがん)でそれほど硬くありません。
その上、本流の鬼怒川は水量が多く、侵食作用が大きいことから合流点で河床の高さに差ができて
滝になったものです。
このような滝を懸谷(けんこく)と名付けています。

<地面の違い>
鬼怒川・・・それほど硬くない岩石。流紋岩(りゅうもんがん)
野沢・・・硬い岩石。角閃輝石閃緑玢岩(かくせんきせきりょくひんがん)

<川の違い>
鬼怒川・・・水量が多い
野沢・・・支流。

地面にも、川にも違いがあるから
大地を削るほど荒れることもあるけど、
その結果といて、このような美しい景色を作り出すこともできるのですね。。

崖を下から見ることで

崖自身の変化の途中の姿を通して、
変わりたい!と願うときに
思うようにいかないもどかしさを解決するヒントをくれる。

変わらないでほしい!と期待するときには
変化を受け入れる勇気を諭してくれる。

そんなことを教えてくれているような気がします。
それが崖を下から見るのが好きな理由なのです。